こんにちは。東京ベイサイドクリニックです。湿度も高く、気温も高い真夏日が続く夏まっさかりですが、いかがお過ごしですか?
ゲリラ豪雨や天気も予想しにくい亜熱帯な地域に気候が似て変化しやすいですね。体調管理に気をつけてお過ごしくださいね。
さて、今回は内視鏡クリニックでは必ずと言っていいほどピロリ菌について、お話していきたいと思います。
【ピロリ菌とは?】
ピロリ菌は胃の粘膜に生息しているらせんの形をした細菌でヘリコバクター・ピロリといいます。
胃の表層を覆う粘液の中に住み着く菌で、感染したまま放置しておくと慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどを引き起こす原因となる菌と言われています。
【感染経路?どうして感染するの?】
ピロリ菌は幼少期の衛生環境が良くなかった時代に感染している人が多く、井戸水などからの感染が言われています。
現在は環境が整った時代では感染している人は低下していますが、乳幼児期に感染した親、家族から口を介して感染する場合もあります。
大人になってから新たに感染することはないと言われていますが、4歳未満の免疫機能の未熟な幼少期に感染すると言われています。
【どんな検査方法があるの?】
ピロリ菌の検査方法にはいくつかの方法があります。
①迅速ウレアーゼ試験(RUT)
②培養法
③鏡検法
④尿素呼気試験(UBT)
⑤抗ピロリ菌抗体測定検査法
⑥便中ピロリ菌抗原測定
当院では、⑤⑥の方法でピロリ菌の検査を行っています。
⑤抗ピロリ菌抗体測定検査法とは、採血です。採血をして抗体値を調べる検査で、数値として結果が出ます。
3未満<が陰性 3~9がいるかもしれない値(グレーゾーン)
10以上>は陽性 ピロリ菌に感染している状態です
もし人生で一度も検査をしたことがない場合は抗体検査を当院ではお勧めしています。
⑥便中ピロリ菌抗原測定は、当院では除菌後の方にお勧めしています。除菌後であっても抗体検査では陰性化せずに高値となる場合があるからです。
⑤抗体検査や⑥採便検査で陽性だった場合は、ピロリ菌がいると胃の粘膜を荒らしてしまうので、除菌をお勧めしています。
除菌をするには、上記の検査で陽性の結果と、胃カメラを行う必要があります。
胃カメラにて萎縮性胃炎の診断があると2つの結果を合わせて、除菌薬を保険で処方できる条件になります。
ピロリ菌検査の結果と胃カメラの検査の結果、2つが必要となるわけです。
注意※この2つの結果が6ヶ月以内のものでないとどちらかが6ヶ月を過ぎていると検査が無効になってしまうので、除菌される場合は注意が必要となります。
【除菌とは】
除菌薬は抗生剤を1週間続けて内服します。飲み忘れや途中でやめてしまうと除菌率が低下してしまうと言われています。
また、抗生剤内服期間中に、アルコール摂取や喫煙をすると除菌率が低下してしまうので除菌薬を内服中は控えるようにしましょう。
除菌率はおよそ70%で、1次除菌でうまくいかず2次除菌での除菌率は90%と言われていますが、2次除菌までは保険適応となりますが、3次除菌からは保険適応外となり、自己負担で除菌を行うことになります。
注意 必ず除菌に成功してピロリ菌がいなくなったかどうかを確認する必要があります。
上記で説明した検査方法がありますが、抗体値は除菌後もすぐには陰性化しないため、除菌後の判定には適していません。
そのため、当院では除菌後の方のピロリ菌検査は、採便(便中ピロリ菌抗原測定)の検査をご案内させて頂いています。
除菌薬を内服終わってから、4週間以上経過してから、採便を提出して頂き便の中にピロリ菌がいなくなったことを確認し、除菌成功となります。
採便検査で陽性の場合は2次除菌となりますので、除菌薬を内服して終了ではありませんので、除菌が成功しているのか、判定検査の採便検査まで行い、成功しているか確認することは重要です。
採便を実施する場合は、胃薬PPIと呼ばれる薬普段内服している場合は、2週間休薬してから、採便して頂きます。
胃薬内服のため、結果に偽陰性となる場合があるので注意が必要です。
※補足
陰性高値(3~9)の結果の場合、、、
→胃カメラで萎縮性胃炎がはっきり診断された場合は除菌になります。
胃カメラで萎縮性胃炎までの診断がなければ、経過観察または採便の検査をご案内し、採便でピロリ菌が陽性の場合、除菌をおこないます。
いくつかピロリ菌の検査方法には種類があることと、除菌の流れ、判定までのお話をさせて頂きました。
胃カメラの検査を受ける時の参考にして頂けたらと思います。
ピロリ菌を退治して、健康な日々を送りたいですね。
<ペンネーム『喜びを運ぶ』ガーデニアの花言葉より引用>