胃内視鏡的洗腸液注入法(GEII)とは
大腸カメラの準備は通常、①前処置(便秘薬など)+ ②検査当日の腸管洗浄液2L(いわゆる下剤)の2段階で行います。
胃内視鏡的洗腸液注入法(GEII:GastroEndoscopic Intestinal Irrigation)は、 このうち②「当日の腸管洗浄液2Lの内服」をskipさせる方法です。
当院では開院以来、安全性・効率性・患者様の負担軽減を意識して改良を続けており、 これまでに2万人以上の患者様に実施した実績があります。
従来は、大腸カメラ前に2L前後の下剤(腸管洗浄液)を飲む必要があり、味や量、嘔気などで「準備が一番つらい」というお声が少なくありませんでした。
GEIIでは、無痛胃カメラから十二指腸へ腸管洗浄液を注入することで、大量の下剤内服を不要にするため、身体的・精神的なストレスを大きく減らすことができます。
GEIIの流れ(図解)
GEIIの流れを図でまとめています。

胃カメラで食道・胃を観察した後、そのまま十二指腸へ腸管洗浄液を注入します。
注入から30分〜1時間程度(※個人差あり)で排便が始まり、便が透明に近づいたところで大腸カメラへ進みます。
2Lの下剤がつらい方へ
大腸カメラでは腸の中がきれいでないと、細かな観察ができず病変を見落とす可能性があるため、十分な腸の洗浄が欠かせません。
通常の方法では、この腸の準備として2Lもの下剤(腸管洗浄液)を飲む必要があります。
しかしこの2Lの内服は、味の飲みにくさ・独特の匂い・量の多さ・途中で気分が悪くなるなど、多くの患者さんにとって大きな負担となっています。
普段あまり水分をとらない方や、過去に飲み切れなかった経験がある方からは、「検査そのものより準備がつらい」というお声も少なくありません。
GEIIでは、この“2Lの大量下剤内服”を行わずに、同等以上の洗浄効果が得られるよう工夫されています。
無痛胃カメラから十二指腸へ腸管洗浄液を注入することで、飲む負担を大幅に減らし、身体的・精神的なストレスを軽減することができます。
そのため、
・「下剤が苦手で検査が心配」な方
・「過去に下剤を飲めず大変だった」方
・「嘔気や膨満感が強く、途中で断念したことがある」方
にとって、より受けやすい前処置方法の選択肢としてGEIIをご提案しています。
※GEIIを選択した場合でも前処置内服(便秘薬など)は必要です。次の項目をご覧ください。
前処置(便秘薬)について
※大腸カメラの準備は「①前処置(便秘薬など)+ ②当日の腸管洗浄液2L」が基本です。
GEIIは②「当日の腸管洗浄液2L」が不要になる方法ですが、 ①前処置の便秘薬は通常通り必須です。腸の動きを整え、便を柔らかくする目的で、 GEIIを選択した場合でも必ず前処置の便秘薬を内服していただきます。
・便秘の程度により、前日だけでよい方と、1〜3日前から開始する方など個人差があります。
・どの薬をいつから飲むかは、診察時・予約時に医師が個別に指示します。
・GEIIは「当日の腸管洗浄液2L(下剤)が不要になる」方法であり、前処置がゼロになるわけではありません。
GEIIの前日〜当日の流れ(タイムライン)
- 検査3〜2日前:便秘が強い方はこの時期から便秘薬を開始
- 検査前日:指示された便秘薬を内服/食事は控えめ
- 当日の朝:朝食なし(透明な飲み物は可)
- 来院後:無痛胃カメラ → 十二指腸へ洗腸液注入(GEII)
- 注入30〜60分後:排便開始 → 1〜2時間で透明に → 大腸カメラへ
当院GEIIの特長(安全性)
GEIIでは鎮静剤(眠くなるお薬)を使用するため、極めてまれに呼吸が浅くなる・誤嚥などのリスクがあります。
当院では安全性を最優先し、米国麻酔科学会(ASA)の指標に基づいて評価を行っています。
評価ポイント
- BMIが30以上か
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の有無
- 心肺疾患・年齢等のリスク
これらを総合的に判断し、安全に実施できると考えられる方にのみGEIIをご案内しています。
無理に適応を広げることはせず、必要に応じて通常の下剤方法をご提案します。
また、当院では2万人以上のGEII実施経験をもとに、麻酔量・内視鏡手技・注入量の基準を細かく整備し、日々アップデートを重ねています。
さまざまな体格・背景を持つ患者様に対しても、できるだけ安全に、同じクオリティで検査を提供できるよう努めています。
検査を担当する内視鏡医について
GEIIは、胃カメラ → 注入 → 排便確認 → 大腸カメラという複数の工程から成る検査です。
そのため担当医には、
- 丁寧で確実な内視鏡操作
- 鎮静を含めた安全管理
- 患者様の状態を見ながら柔軟に対応する姿勢
が求められます。
当院では、担当医が一貫して流れを確認しながら安全第一で検査を行っています。
これから検査を受ける方へ

どの検査方法にも、必ずメリットと注意点の両方があります。
GEIIは特に「下剤を飲む負担が大きい方」に向いている方法ですが、安全面からおすすめできない場合もあります。
当院では、体調・既往歴・日常生活をふまえて最適な方法をご提案します。
ご不安な点やご希望がありましたら、予約時・受診時に遠慮なくお知らせください。































